トラップ系FXにおける通貨の選び方①では含み損や有効比率(証拠金維持率)が、運用リスクを高める原因とお伝えしました。
それでは、含み損が増えずらい通貨ペアってあるのでしょうか?
答えはYesです。通貨ペアによってかなり変わりますので、今回は、その考え方をお伝えします。
通貨ペアのレンジ幅


図から明らかなように、トラップの間隔を同一とすると、レンジ幅が広い方が、より多くの通貨をトラップするので、含み損が増えやすいですよね。
ですから、初心者にはトレンド系(レンジの幅が広く、トレンドに沿った動きをする期間が長い)通貨ペアをオススメしません。逆に、レンジ系(レンジの幅が狭い)通貨ペアは、含み損が抑えられるので、トラップ系通貨向きです。
トレンド系の代表格、トルコリラ/円を見て見ましょう。じりじりと下がっていますので、買いトラップの仕掛け方が難しいですよね。。

TRY/JPY:TradingView提供
レンジ系の代表格である、AUD/NZDを見てみましょう。レンジ内で上げ下げを繰り返しているので、リピートを仕掛けやすいですね。

AUD/NZD:TradingView提供
トレンド系/レンジ系の通貨
トレンドを見たいので、3年程度の幅(pips)の大きさで、トレンド系/レンジ系のどちらかを見ます。
ここで、「pips」は「percentage in points」の短縮系で、通貨ペアの最小単位(ポイント)の1%の意味で、通貨の価格差や実現損益を把握するのに使います。
【トレンド系】
ユーロ/豪ドル | ユーロ/円 | ユーロ/英ポンド | |
幅(pips) | 3800 | 2190 | 1020 |
幅(円) | 0.38 | 21.9 | 0.102 |
最大 | 1.845 | 137.2 | 0.932 |
最小 | 1.465 | 115.3 | 0.83 |
【レンジ系】
米ドル/円 | カナダドル/円 | 豪ドル/NZドル | スイスフラン/円 | USドル/スイスフラン | |
幅(pips) | 1330 | 1510 | 1000 | 1110 | 930 |
幅(円) | 13.3 | 15.1 | 0.1 | 11.1 | 0.093 |
最大 | 118 | 91.1 | 1.12 | 118.3 | 1.02 |
最小 | 104.7 | 76 | 1.02 | 107.2 | 0.927 |
なお、「ユーロ/英ポンド」は、幅は狭いものの、チャートの形を見て、トレンド系としています。ユーロ離脱の影響だと思いますが、しばらくはボラリティが高そうです。

EUR/GBP:TradingView提供
コロナショックのように経済に激震が起こると、レンジの幅が変わったり、トレンド系→レンジ系へと変わることがあるので、時々チェックする必要があります。
レンジ系通貨ペアから選ぶと、含み損が少ない状態を維持しやすい。
大きな経済変化や、含み損が大幅に増えた場合には、通貨ペアのレンジが変わっていないかチェックする。